●「千の風になって」の根底

 最近、気になっていた事があります。
 それは、今日発表のオリコン・シングルランキングで1位を獲得した、テノール歌手・秋川雅史さんが歌う「千の風になって」。

 その、歌詞の内容についてです。

 調べてみると、この詩の作者は不詳です。
 しかも、同様のニュアンスの詩が、いくつもあるようです。
 これは、長い年月の間で、様々な人の考え方や言語を介していく間に、同じニュアンスの詩でも微妙に内容が変わっていったことがうかがえます(数年前に流行した本「世界がもし100人の村だったら」の原文にも、インターネット等を介する間に、様々な形に変容したことに似ていると思いました)。

 現在、日本で歌われている曲の原詩は、次のようなものです。
(いろいろなブログでも紹介されているようです)

--------

 " a thousand winds "
 
 Do not stand at my grave and weep;
 I am not there, I do not sleep.
 
 I am a thousand winds that blow.
 I am the diamond glints on snow.
 I am the sunlight on ripened grain.
 I am the gentle autumn’s rain.
 
 When you awaken in the morning’s hush,
 I am the swift uplifting rush
 Of quiet birds in circled flight.
 I am the soft stars that shine at night.
 
 Do not stand at my grave and cry;
 I am not there, I did not die.

--------

 そして、それを日本語に訳詞(作曲)したのは、芥川賞作家・新井満さん。
 著書「千の風になって〜a thousand winds」も出されています
(ISBN4-06-212124-7・講談社・1050円)。

 この本を読んで思ったのですが、この詩の根底にある考えは、どうやらアメリカ・インディアンみたい。
 死んでも、私はあなたの周りの自然に溶け込んでんだだけで……生と死は「対」ではなく、自然の中の「循環」なんだよ……という、アメリカ・インディアンの考え方が、歌詞の根底にあるのかなって感じましたヨ。

コメント

KURE
KURE
2007年1月17日11:23

う〜んネイティブアメリカ〜ン。
こういう考えで人の死を見つめれば、決して悲しいものばかりではないと、勇気づけされる内容ですね〜。

睦眠
神尾むつみ
2007年1月17日23:02

 ちょうど、今日で阪神淡路大震災から12年。
 震災地の神戸では、この曲がトランペットで演奏されていたのを聴いて、なんだか感慨深いものがありましたよ〜。